令和5/2023年11月28日(火)グループワーク「コロナ禍を経てPTAの活動意義を改めて考えてみる」
育友会の現状の把握と今後の組織のあり方について議論しました
コロナ禍を経てPTAの活動意義を改めて考えてみる
~これからの時代に合ったPTA組織のあり方とは?~
少子高齢化や過疎化など地方を取り巻く環境は大きく変化し、
高速交通網の整備や情報化社会の進展によって、
便利になった一方で、
都市部へのストロー化現象やプライバシー保護など多くの問題が発生し、
これからはAI技術の進展により
人間が担うべき仕事も大きく変化すると言われています。
このような状況下で、
私たちの親世代から⻑く受け継いできた「PTA」という組織についても様々な問題が指摘されるようになってきましたが、
福野中学校育友会でも今年度のスローガンを「Reborn!福中育友会」とし、
コロナ禍で縮小した会の活動をただ復活させるのではなく、
新たに生まれ変わるという思いで活動しています。
今回そんな執行部の特別企画として
「そもそもPTAとは何なのか?何のためにあるのか?」
「PTAは必要なのか?」
「理想のPTAとは?」などについて、
常任委員会でグループ会議を行い意見の取りまとめを行いました。
1.まずはPTAについて知ろう!
PTAの歴史
PTA(Parent-Teacher-Association(協会)父母と教師の会)
学校予算は必ずしも潤沢ではなかった明治時代、
学校運営にかかる金銭的・労務的負担を軽減するため、
学校を支援する任意団体が多く結成された。
これらの団体は、学校の経済的支援をもっぱらとし、
教育活動に関わることはほとんどなかった。
➡戦前は地域全体で経済的支援していたが、
教育の内容は役所にお任せ
(諸外国との戦争が激化する中、富国強兵のための教育内容に傾倒していった)
戦後GHQの要請により極東委員会が「日本教育制度改革に関する指令」を定め、
PTAが⺠主主義教育推進のために積極的な役割を果たすことを期待し勧奨した。
➡⺠主主義を植え付けるためアメリカが持ち込んだ
(教師と親の合議体制により、学校の運営を共に考える体制の構築)
1952年(昭和27年)「日本父母と先生の会全国団体結成大会」開催、PTA全国団体が結成された。
➡日本独自に発展を遂げて現在の形がある
理念と目的
保護者と教員が学びあうことで教養を高め、
成果を家庭・学校・地域に還元すること。
児童生徒の健全な発 達に寄与すること。
同時に、⺠主的な方法で運営するという設計思想があり、
PTAは⺠主主義の演習の場であるという側面を併せ持つ(Wikipedia より抜粋)
PTAの役割
各小中学校PTA(福野中学校育友会/単位PTA)
➡市町村PTA(南砺市PTA連絡協議会/市P連)
➡県PTA(富山県PTA連合会/県P連)
➡日本PTA全国協議会(日P)と
全国的に連携した活動をしていることで、国や県、市の行政に対し要望することが出来る。...行政(教育委員会)に対する監視的な立場もある
部活動奨励賞や、学校への寄付、環境整備など行政(教育委員会)で出来ない部分を、地域独自で金銭的又は人的補填を行う団体という立ち位置もある。....明治時代もそうだったように
学校に任せっきりでなく、保護者(大人)として子供たちの教育に関わる責任を負うための団体
2.全国的に言われているPTAの課題と解決策は?
PTAの課題(全国的に言われている事で、育友会の課題ではありません)
強制加入の問題....都市部では脱退させない事が「ブラック PTA」と呼ばれ問題となっているケースもある
役員選考の難航....特定の人が10年近く会⻑→後継者が居ない。
会⻑(役員)を地域持ち回りで選出 ➡人数少ない地域は万年役員
■要因(変化している現代社会)
・地域コミュニティの希薄化 ➡進む若者の個人主義、お互いを知らない(⻘年団・消防団・婦人会..同様)
・核家族・共働き世帯の増加 ➡生活サイクルにゆとりがない
・個人情報の問題 ➡知りたくても情報をもらえない
・行事のマンネリ化 ➡前年踏襲でやらされ感がある
解決策(全国の事例)
・PTA役員への報酬制導入....会⻑5万円、副会⻑3万円をうたい公募している例も
・PTAのアウトソーシング....請け負う事業者も出てきているらしい
・役員・委員会などの廃止(全員役員制、行事毎にやりたい人を募る完全ボランティア制など) ....PTO(Parent-Teacher-Organization(組織)
・PTAにC「地域社会(Community)」を加えたPTCA→例:地域づくり協議会との連携
・PTA自体の廃止....地域のボランティアの住⺠でつくる「地域本部」に統合した例も....
3.グループで考えてみよう!
<グループワークで出た意見>
Q1.問題の要因を考えよう!
●役員選出問題
・次期の役員選出(次の人にお願いするなど)が面倒
・経験者や現役員の知り合いに偏る事への不満
●家庭・教育環境の変化
・不登校や情緒不安定な子が増えている?(我が子がそうだったら役員なんて出来ない)
・家庭(生徒・親)の事情が複雑化(ひとり親、外国籍、単身赴任、ヤングケアラーなど)
・先生は勤務時間、親はボランティアという立場の違いが鮮明に(昔はファジーだった?)
・学校がサービス業化している(保護者に気を使いすぎ?)
●社会環境の変化(ネット社会で情報氾濫、職場環境など)
・不要論者が増えている(親だけでなく教師でも?)
・会費を払いたくない意識が脱会意識に拍車をかける。
・親が多忙(核家族の増加、夜間勤務、通勤距離の遠隔化、ブラック企業など)
・昔は地域の事業主(社⻑・個人事業主)が中心だったが現在JC・⻘年部などで忙しい
・個人主義・価値の多様化が進んでいる
●行事に魅力がない
・必要なものは残るが、皆さんがやりたがらない行事は必要ない
・役員をやっていないとPTAが何をやっているのか理解されていない
・行事をするための役員という認識が一般的になっている
・同じことの繰り返し ➡マンネリ化(良い悪い両方あり)
●組織に魅力がない
・メリットが知られていない(先生との距離が縮まる、親同士の情報共有の場など)
・市P連、県P連の存在が知られていない
・集まると先生の負担になる(集まらないと先生たちだけで進んでしまう)
・PTAの役割(意義)を把握してもらっていない
・辛いイメージがある
・活動自体のアウトプットが無い(知る機会がない)
・興味・関心がない
・役はやりたくないが意見だけは言いたい人がいる(モンスター●●?)
Q2.PTAの存在意義や期待することは?(市P連・県P連・日P含めて)
●教育委員会に保護者の意見を伝える組織として必要
・文科省に意見を伝えられる団体として(全国組織も)必要
・要望事項を会として伝えることが出来るので(単P、市P連)
・「部活動あり方検討」が良い例(市教育委員会の方針に対して意見を伝えられた)
・行政(教育委員会)を監視するために必要
・相談窓口の役割もある
●コミュニケーション(情報共有)の場として必要
・保護者同士の良好なコミュニケーションの場として必要
・色々なことが意見交換できる場
・地域によって課題が違うので情報交換できる(市P連)
・保護者と教師が話し合う場として
Q3.現代社会にマッチする理想のPTA組織とは?
●組織体制(構成)の見直し
・現行の組織でまだやれる!
・学年委員会だけで良いのでは?(特別な行事はボランティア募集で賄う)
・地域の人にもっと聞いても良いのではないか?
・地域づくり協議会を含めるべき!地域を巻き込むことが大事!
・外部委託を進めるべき(アウトソーシング)
・組織の力を使用する(地域を含む)
●保護者と教師の関係性の見直し
・教頭先生の負担が大きいと感じる
・P(保護者)とT(教師)が対等に話し合い(決定して)進める組織が理想
●運営(行事)内容を見直す!
・役員の負担を減らす方向で考える(前年踏襲、マンネリ化の排除)
・アンケートの効率化などスリムに出来るのでは(IT 活用で事務の効率化)?
・「tetoru」をPTAでもフル活用出来れば効率化につながるのでは?
・役員になりたいと思ってもらう手法
・PTA活動の楽しそうな雰囲気を見せることが大事
・役員特典があればいい(優遇措置:学習発表会などの駐車場、卒業式の観覧席など)
・保護者同士が集える気楽な会があれば良い
まとめ
問題点としてまず役員の選出を挙げる意見が多かったのですが、
それは昔から少なからずあった問題で、
やはり要因として大きいのは社会状況の変化により保護者世代(教職員を含め)の価値観の多様化だと感じました。
また価値観の多様化はPTA活動に対する興味関心の希薄化にも繋がり、
コロナ禍による3年間の交流制限でさらに拍車がかかったと感じます。
また「行事に魅力がない」「組織に魅力がない」という意見も多くあり、
これはQ3での意見にもつながりますが、
マンネリ化を排して本当にやりたい活動をやりたい人がやる「行事毎ボランティア募集」の導入などで、
より魅力ある活動にならないか?という意見もありましたし、
また組織としては行事での「役員特典」を拡充しメリットを強調すべきという意見や、
保護者同士や教職員とのコミュニケーションの場として、
楽しい雰囲気を見せていく事で大事という意見もあり、
役員になって良かった!楽しかった!という情報発信も必要だと感じました。
さらに「tetoru」の活用などDXの推進やアウトソーシングにより役員の負担軽減(教職員も含め)も併せて進めていくことが必要だと思います。